チリを積もらせ山にする→人生航海日誌(ログ)と動機付けの技術 読書猿Classic: between / beyond readers

人間は、目の前にあるもの・ことを、遠く離れてあるもの・ことよりも、ずっと重大なものとして評価する。  かくして忍耐よりも放縦が、計画よりも気まぐれが、多くの場合勝利する。

さて、大きな野望を実現したいとして、それがすごぶる大きなものであっても、1日は変わらず24時間しかないし、いろんな必要時間を差し引くと自由裁量できる時間は毎日ほんのわずかである。   したがって、千里の道も一歩から、山のごとき野望もチリのごとき小さな企てに細分化(ブレイクダウン)していかないと、取り掛かることすらできない。

小さくとも毎日の繰り返しが100日なら100日分、1000日なら1000日分の積み重ねとなり、それは決して小さくない成果をもたらすことは、物心ついた後の人なら誰でも理解する。

理解はするが、チリのごとき小さな一片は、眼の前のこと=日々の慰安や状況の浮沈、風の吹き具合に翻弄されて、さながら大海を渡る小さな葉のようである。

大きなものには直接立ち向かえない。 分解する。 分解すると、いかにも意味が感じられない。 それを積み重ねていく様を記録する。 デカルト「困難は分割せよ」 微分と積分。

大きなものと小さなもの 「とりかかりやすいもの」 「今すぐ充足感を与えてくれるもの」 「自分対自分」の構図だが、もう一人の自分には圧倒的な協力者がいる。IT企業だ。彼らは直接には私たちを操ったりはしない。しかし、私たちが形作るタイムラインを通じて、私たちにもっとタイムラインを見よ、と笹や書き換えてくる。